新宿はまだまだ寒々しい空に覆われており、人々は足早に駅に向かっていたが、私はその人の波とは逆へと歩いていた。全国的にも指折りのSEとの対談に胸を躍らせながら…。
※以下、i=一戸。m=村田十蔵(インタビュー)
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m:
i:
はい、宜しくお願い致します。
m:
いきなり冒頭から聞きたいのですが、結局SEをやっている醍醐味とは何でしょう?
いわゆる一般書籍等に書かれているコトはわかるのですが、
一戸個人としての醍醐味を聞かせてもらえますか?
i:
う~ん…そうですね、世の中のプログラムやシステムの世界では多くの言語が存在していますよね?
もちろんDBも多く存在します。
ただ、僕はその1つの言語に特化しマスターする必要はないと思っています。マスターするよりかは、少しだけの知識と把握で全てに対応できるという考え方を持てるコトが醍醐味でしょうか。
m:
あぁ例えば昔で言う大工さんになるには、カンナの引き方からクギの打ち方から全てをマスターしなければ、家が建てれないのだが、だけどSEというのは必要な部位を見極め自身の頭の中でロジック化し物事を具現化できるというところが醍醐味というコトでしょうか?
i:
はい、そしてそれは他の職業ではあまり無いことなんじゃないかなって思います。
m:
なるほど、それはカタチがあってカタチが無いものと捉えていいのでしょうか?
i:
はい、パーフェクトマンじゃなくていいんです。
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m:
その一戸さんの言う『パーフェクトマン』というのは、例えば算数の九九を1×1から9×9まで全部暗記していないといけないという考え方がパーフェクトマンという考え方?
別に全てを網羅していなくても、1×1が1ならば2×2は4で9×2は18だろうという想定理論が成り立つからというコトでしょうか?
i:
そうです!必ず想定理論が成り立つというコトなんです。
m:
なるほど、SEとは暗記うんぬんじゃないってコトですね。
i:
はい。自分は、それが1番の醍醐味だと思っています。
そこに気付ける人と気付けない人が居ると思うんです。
『僕はjavaをやったことがないから、わからないから無理』と思う人が多いと感じるんですね。
でも、そこに1度チャレンジして越えた人は全員同じコトを言うんですよ
『全てはロジックが合えば流用できる』って。
そして僕もシステムをやっていて本当に思うコトなんです。
m:
まぁ言葉通りシステムをエンジニアリングするわけですからね。
じゃあ一戸さんが色々な多様化できるコトがSEだと思っているわけですね。
では、そういう考えの1SEの一戸さんが思うSEとは『なにができる人』なんだろう?
i:
う~ん…これは諸説色々とありますが、例えばプロジェクトが1つあったとします。
この例えは少しPM寄りの話にはなっちゃうのですが、クライアントの話をヒヤリングし、要件を詰めて、調整しシステムを設計していく。基本そこでSEの仕事は終わりとされがちなんですね。
そこからはプログラマーが制作に着手し始めますから…
なんですが僕が思うSEという存在は、そこから、そのプロジェクトをゴールまで導くための人員配備やメンタル管理、スキル調整まで目を配れる人間が僕はSEだと考えています。
そこまでやって、はじめてSEだと思います。
m:
一戸さんの思うSEとは、システム言語がというよりかは、そのプロジェクトに参加している全ての事柄をエンジニアリングするというコトがSEの存在理由なんですね。
i:
はい、更に最後のゴールに到達できる人間がSEだと思っています。
m:
なるほど、それはjavaが書けないなどというレベルの話ではなく、そのプロジェクトという見解でSEはそうあるべきではないか?
というコトですね。
i:
はい、そう思います。
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m:
何で、そのような考え方になったのでしょう?
最初はSEを志高く目指していても、やっぱりわからないと思うんですよね。いったい、いつぐらいからそのような見解になったのですか?
当然、一戸さんも試行錯誤を繰り返し現在の思考に辿り着いたのだと思うのですが。
i:
僕は、単純に運が良かったんです(笑
SE1年生の頃から、自分でスケジュールを任してもらったり、幼稚ながらも設計書を書かせてもらったりプログラムを書かせてもらったりしたんですね。
そういうコトって多分最終的にSEに必要なスキルだと思うんですが、それを初めから頭と体に叩き込まれ身に付いたからでしょうか。
プロジェクトがゴールに到達するためには『何が必要なのか』という見解で自身の作業部位だけを見ることはなかったんです。
要するにスキル的なリソースと人的なリソースがプロジェクトには必ず存在していて、当然人間が行うことなので、その人のプログラムに対する考え方や設計思想があり、またこだわりなどもありますから。
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m:
なるほどね、環境による視野の拡張が今の概念を組成してくれたんですね。だから今の一戸さんの言葉で言うと『運がいい』という言葉になるのですね。
他にも、その要因はあったのでしょうか?
i:
そうですねぇ…あると言えば僕がまったくそのような知識が無い状態でこの業界に入ったコトですかね。
m:
あぁ~逆にね!
i:
ははっ…(汗)
はい、逆にです。
まったくプログラムなど知らない状態で業界に入ってきたので最初は所謂『使えない人間』でしたね(笑
でも、だからこそいい経験ができたし、わかるんです。
プログラムが書けない、設計が見えない人とコミュニケーションが取りにくい、最終的な要件を詰めていけない、人の前で説明できないそんな想いを抱いている方々の気持ちが僕には痛いぐらいわかるんです。
m:
素人からの出発というのは一般的にドロップアウトする要因と感じるんだけど、一戸さんにとっては今の自分を組成する大きなプラスの要因になっているのですね
i:
はい、僕にとって大きなプラス要因ですね。
m:
でも、全くわからないコトをイキナリ『やってみなさい』と言われ心は折れなかったのですか?
i:
いやっ、当然頭をかきむしるコトはありましたね。
でも、そういう時にいつも頭に思い浮かぶのは『同じ人間がやってて俺に出来ないコトはないだろう』という言葉でした。
僕以外が全てアインシュタインな訳ではないですからね(笑
m:
なるほどね、同じベクトル値の人間が出来ているのに何で俺にできないんだ!
ってコトだね?
i:
はい、別段人より自分が優れているなどと自惚れている訳ではなく、ただ世の中にいる同じ人間がやっているコトだろうって。
これが僕の全てを支えていますね。
m:
その気持ちは私も理解できますね。
別にSEだからではなく、どの業界にも同じコトが言えるね。
小学生が同じクラスの子が二重跳びができて、何で自分はできないんだってね。
いわゆる、その業界からドロップアウトするのか?
自分からドロップアウトするのか?
その違いだね結局。
i:
はい。
m:
多くのSEのコメントを精査したとしても、そういった広い感覚をあまり聞かないが(当然思っている方々は多いだろうが)現時点の一戸さんの目標にしている場所とはどういうところでしょうか?
i:
そうですね、自分には叶えたい夢がいっぱいあって、そこにたどり着くための1番最速方法は今まで培ってきた技術と知識を生かせる場所でしょうか。
ただ、特にSEの世界は停滞は衰退なので、時代に合わせてどんどん自身もアップグレードしていかなければならないと日々考えています。
また、進化ができるSEはどんな未来になろうが何でもできるって思っています。
m:
なるほど、自身のマインドがそうならば時代に左右されない設計が立てれるというわけですね。
では、自身と横並びであったりメンバーとして一緒に働いているSEに対する見解を教えてほしいのですが、絶対不可欠なSEとしての資質とは何でしょう?
i:
たった1つしかないですね。
それは『問題解決能力』です。
多分、プログラムを知っている、言葉を知っている、英語を知っているというのは僕はプログラムの世界には一切必要ないと思っています。
元々、僕は一切の知識なくこの業界に入りましたが唯一少しだけ得意だったコトが『問題解決をする道』を探しプロトタイプを作り『動きそうだな』という場所に辿り着く時間は人より早かったので。
m:
それが、問題解決能力というコトですか?
i:
はい、ただ一例にすぎませんが。
1つのプロジェクトが動き出すと多くの問題が浮上してきます。
当然、自身の知らないコトも山のように出てきますし。
僕なんて毎回10個ぐらいでてきますしね(笑
でもそこで、じゃあどうやって進めるとゴールに1番近い場所を調べ続けるのかこの繰り返しです。
言ってしまえば、この理論でプロジェクトに思考を落とせないとSEには向いていないと思います。
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m:
逆に、なぜ一戸さんのシナプスがそのように繋がったのでしょうか?
問題とは当然ですが突然訪れますし、だから解決しないといけないのですが未体験な事柄に対して怖気づいたりはしなかったのでしょうか?
気持ち的に。
i:
怖気づくコトはなかったですが、時間的な制約の基『不可能』と判断したコトはあります。
でも、そこで自身の中で『不可能』のままだと止まってしまうんですよね自信が。
なので、その時は出来る限り違う角度からアプローチを繰り返しています。
これは、僕が勝手に思っているコトなんですが世の中にタイムマシンや人間を組成できる装置があるとするならば、そのような物以外はシステムで全て作れると考えています。
m:
ふ~む、世の中の殆どの物がシステムで作れると?
i:
はい、99.9%の物はシステムで実現できると思います。
必要な資金と時間があれば。
タイムマシンと人を生き返らせる装置以外は必ず迂回ルートが存在すると思うんです。
m:
病気もシステムで治す?
i:
はい、直接的ではありませんが病気との因果関係をシステムによって解明し改善へ導けますよね?
原因があって結果がある物に対してシステムとは結果を変える力があると思うんです。
m:
なるほどね、システムとは君の人生理論の1つだ。
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i:
そうですね、でも僕システム作るコトはそんなに好きではないんです(笑
m:
へぇ~!そうなんだ?
でも、探究心は強いですよね?その表現する場所がたまたまシステムだったってコトだね。
i:
そういうコトです。
もしかして発展性のある考えが僕のシナプスを結合させたのかも知れません(笑
m:
それはAが創造できたからといってAにぶら下がるのではなくAからBへ、またCへと発展していくことが元来SEにはもっとも必要な要素であり必然なのかも知れませんね。
i:
はい、僕はそうではないとSEとは言えないと思っています。
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m:
では、そういった広い視野で進んでいる一戸さんですが、これからSEを目指している方々に対してメッセージを頂けますか?
i:
そうですねぇ…おそらく今、日本でSEと言われている方々の人口は激減すると僕は思っています。
要はスーパーSEのみ生き残り、その他のナンチャッテSEは淘汰されていくでしょう。
理由は、圧倒的に人件費が安い国から同じレベルで日本語が話せるSEが増えると日本にいるナンチャッテSEは完全に不要ですよね?
これは、今現時点でも進んでいる話でもありますし、インドやマレーシアのSEとも協業したこともあります。
ただ、その中心に居るのはスーパーSEなんですね。
それは変わらない為、日本が日本である為にとても重要なコトだと思います。
なので全体を見渡せるスーパーSEを目指してほしいですね。
m:
なるほど!
これからSEの業界で生き残るためにはSEを目指すのではなくスーパーSEを目指せ!
ということですね!
i:
そういうコトです。その定義は自信で考えればいいコトなので…。
m:
そこに近道はないと?
i:
その通りっ!
イチノヘ ノリシゲ
12才の頃から宇宙にあこがれる。
22歳の時から 『何となく何かできるんじゃないか?』
と悶々としていた思いを形にするため活動開始。
結果、重力の鎖を断ち切り宇宙に出るには初速が必要と分かる。
現在、初速を出すためにカタパルトを整備中。
頭の良し悪しは点数では測れないがモットー
インタビューを終えて
こうやって2時間にわたりインタビューを行ったが、まるでプールの授業が終わった5時間目のような心地よさが私をゆっくりと襲った。
シナプス、ロジック等々、SEならではの言語を発した彼からは何故かSE特有と言われる奢りはなく品格を感じた。
一太郎から情報が止まっている私も明日からは少しPCと向き合ってみようと思う。
村田十蔵

















お疲れ様です!本日は宜しくお願い致します。